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不眠症◆軽視せず早めに相談を

中日新聞朝刊 2006.06.16


  先週の「眠り病」に続いて、今週は「眠れない病」のお話をしましょう。


 「眠れぬ夜のために」(1985年、アメリカ)は、不眠症のエドを主人公にしたサスペンスです。ごく普通のサラリーマンだったエドは、一晩中眠れなくて悩んでいましたが、昼間の集中力が低下して仕事で行き詰まったうえ、妻の浮気を目撃してしまい、身の置き所を失ってしまいます。


 夜は、熟睡する妻を横目に一睡もできず、職場に行くと頭がぼーっとして、肝心なときに居眠り。そんなエドが、気分転換のために深夜の空港へドライブに行ったとき、何者かに追われる美女が車に飛び込んできます。そして国際密輸をめぐる事件に巻き込まれてしまいます。 行く先々で殺人が起こり、逃走を続ける二人。何度も危険な目に遭ううち、美女とも仲よくなっていきます。


 現実の社会でも、多くの人が、家庭で夫婦のもめごとや子どもの問題、親の介護など、さまざまなストレスの種を抱え、仕事や職場の対人関係に悩んだりして、眠れなくなっていきます。


 眠りが妨げられたら、脳が癒やされる時がありません。放置すると、うつ病を発症する危険もあります。軽視せず、早めにメンタルクリニックに相談してください。


 治療は、適した時間帯(午後9時から午前9時)に快適な睡眠を取り戻すために・寝酒、寝る前の喫煙などを避ける・朝食をしっかり取って、午前中から体温が上がるような活動をする・規則正しく食事をし、運動、娯楽など適度なリラクセーションをする・早く眠ろうとしないで、朝決まった時刻に起きる習慣をつける・眠りを誘う音楽、香り、寝室の湿度、温度、照度など、環境も調整する・朝の散歩、夕方の適度なエクササイズ、寝る前のぬるめのお風呂―などを試みます。それでも眠れない場合には睡眠薬を利用します。不眠だからといって不夜城の世界に入り込むと、思わぬ事件に巻き込まれるかもしれませんよ。

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