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俺たちに明日はない(1967年 アメリカ)

  • 執筆者の写真: kayukawa-clinic
    kayukawa-clinic
  • 5月28日
  • 読了時間: 2分

愛知保険医新聞刊


  若者たちが窃盗を繰り返す「俺たちに明日はない」は、わが国での六十年代にアナーキーな青年心理を捉えた作品だった。『ボニーとクライド』を見てないと流行遅れになるほどの人気だった。 感化院のあがりのクライド(ウォーレン・ベイティ)が車を盗もうとした時、邪魔をしたのがボニー(フェイ・ダナウェイ)だった。はじめての出会いだったが、クライドはボニーの気の強さに、ボニーはクライドの図太さに惚れた。二人一緒なら恐いものなしと、犯行をくり返していった。ほどなくC・Wを加え、仲間は三人になり、神技に近い巧妙な車泥棒で稼ぎまくった。しかし、この名トリオもクライドの兄バック(ジーン・ハックマン)とその女房のブランシュの出現によって破られた。ガミガミ屋のブランシュと負けずぎらいのボニーとはそりが合わない。それでもとにかく五人の犯行はその後も続き、活躍の場も次第に広くなっていった。しかし、悪運もつき、アイオワで五人は保安官たちに囲まれ、激しい射ち合いの末、バックは重傷を負う。次第にせばまる囲みを破ってクライド、ボニー、C・Wは逃げだしたが、ブランシュはバックを看とるために残った。再び三人にもどったクライドたちは自動車泥棒を続けた。母親に会いたくなったというボニーと一緒に彼女の故郷を訪れたあと、三人は、隠れ家を求めてC・Wの父親の農場にたどりつく。父親は息子の命とひきかえにボニーとクライドの隠れ場所を密告し、若い男女の愛と無法の歴史は潰え去る。


 明日の見えない愛の逃避行と自棄的な犯罪歴は大恐慌が若者たちにもたらした絶望の所産でもある。

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