自閉症への理解進んだが…朝日新聞朝刊 1999.9.11 母親を見てもほほ笑まない。目が合わない。物を目で追わない。自閉症という発達障害が提唱されたのは、まだ半世紀ほど前だ。映画『レインマン』(1988年)は自閉症への一般の理解を飛躍的に前進させた。...
「切れる」怖さ、大人にも朝日新聞朝刊 1999.9.18 「あの人は切れる」といえば、昔は仕事のできる人のことだった。最近の「キレる」は、平常心が断ち切れて突然、むちゃくちゃをやりだす人のことだ。酒を飲んで「キレ者」になる状態のノンアルコール版とでも言おうか。 ...
醜貌恐怖つけこむ豊胸手術朝日新聞朝刊 1999.9.25 電車に乗って嫌でも目に入ってくる雑誌の「巨乳」広告にはうんざりする。テレビの深夜番組にも「Fカップ」がよく登場している。一方、モデルのようなスリムな体形を目指すダイエットやエステも盛んに宣伝されている。 ...
何とか越えたい中年危機朝日新聞朝刊 1999.10.2 定年が迫り、経営陣に入る夢も消え、がく然と肩を落とした紳士が深い絶望と抑うつを訴えて外来を訪れた。娘たちが嫁ぎ、夫婦水入らずで温泉めぐりでもしようと考えていた矢先に夫を心筋梗塞(こうそく)で亡くした妻は、パニック発作を伴ううつ状態で「生きる...
法曹界、中立では済まぬ苦悩朝日新聞朝刊 1999.10.9 数百倍の難関の司法試験を突破し、法曹界入りする人々は、その後も苦労の多い仕事が続く。テレビ映画の名作『ペリー・メイスン』シリーズを見ると、地道な調査と裏付けのための情報収集が判決を左右するかぎであることがよく分かる。弁護士にしても検事にして...
かけ事に依存、退学寸前に朝日新聞朝刊 1999.10.16 難関の医学部入学という目標を達成して、すっかり無気力になった青年の心をとらえたのはマージャンだった。それなりの闘争心もわき、知的な駆け引きもある。絶えず脳を刺激し、脳はいつまでも満足しないので、やめられない魅力と魔力がある。 ...