仕事と別のよりどころ必要朝日新聞朝刊 1999.7.17 常識的な理解の範囲を超える心の働きが、増えているように思えてならない。冬型うつ病は光が、夏型うつ病は温度が原因という大胆な学説を提唱した米国精神保健研究所のトーマス・ウエア博士が十年ぶりに来日し、新しい治療法を巡って話し合う機会があった。趣...
戦争で傷つかぬ心は対象外朝日新聞朝刊 1999.7.24 戦争による極限状況を体験した人々の心理を検討し、欧米では、戦争神経症とか砲弾ショックという病名が提唱されていた。現在の外傷後ストレス障害(PTSD)の前駆的な研究だった。 PTSDは、生死にかかわる恐怖を体験したり目撃した後、心が傷つき...
現実には難しい後遺症脱却朝日新聞朝刊 1999.7.31 ロバート・レッドフォード監督・主演の『モンタナの風に抱かれて』(1998年)は、馬と少女の傷ついた心の回復の物語だ。レッドフォードは馬にささやく人、ホース・ウィスパラーと呼ばれる現代のカウボーイを演じる。 ...
事故のストレス 家族にも朝日新聞朝刊 1999.8.21 仕事の後、ほろ酔い気分で家路についた会社員が駅の階段で転倒し、せき髄損傷の障害を負った。実直な性格で、鋭い頭脳の持ち主だ。好きな山歩きも、釣りもゴルフも出来なくなった。トイレや入浴も大変な苦労だった。本人ばかりか、奥さんや家族のストレスも大...
映画は患者への心の栄養剤朝日新聞朝刊 1999.8.28 精神病と闘っている若い女性から『クール・ランニング』(1992年)という映画が良かったと薦められ、早速ビデオを借りた。 カリブ海に浮かぶレゲエで有名な常夏の島ジャマイカから、なんと冬季オリンピックのボブスレー競技に出場しようという、うそ...
肝臓先生は精神科とも連携朝日新聞朝刊 1999.9.4 行商で全国を回り、家族を養ってきた初老の男性が胃かいようになり、大量に吐血して緊急入院した。内視鏡でかいよう部位からの出血が確認され、大量の輸血を受け、胃の四分の三を切除した。 仕事に復帰したが、疲れやすく、根気がなくなった。内科を受診した...