top of page


躁うつ病患者らへのエール
朝日新聞朝刊 1999.3.20 精神病と緑内障の二つの病気を抱え、事故で聴力まで失った四十代の男性患者が、根気よくリハビリに励み、二十年ぶりに社会復帰した。高齢の母親が「本当によくがんばってくれた」としみじみ語ったのに胸を打たれた。勿論励まされたのは家族や患者さんだけ...


伝わらぬストーカーの病理
朝日新聞朝刊 1999.3.27 連日の手紙や電話攻勢、行く先々への追跡、はては無言電話と四六時中の過剰接近でストレスに耐えられなくなったある女性が、「このままでは殺される」と思って国外に脱出した。 良い伴りょに恵まれて帰国したところ、この男性から「なぜ好きでもない相手と...


銀幕の少年に見る自立の姿
朝日新聞朝刊 1999.4.10 「なぜ僕を産んだのか」。三十歳の男性患者は母親に激しく詰め寄った。達成できない人生の惨めさを、親のせいにする甘えだった。子が真に自立するまで、母子関係はストレスの連続だ。しかも子側には、本当に自分を産んだ母親かどうか知るすべがない。...


不安・恐怖、薬で抑える時代
朝日新聞朝刊 1999.4.17 ある大学の先生は、火の用心と戸締まりに関して、右にでるものがいないほど用心深かった。講義中に突然戸締まりが気になり、急いで家に帰って玄関のドアが閉まっているのを確かめたことがある。戻ると、講義の時間はとっくに終わっていた。幼少時に家が全焼...


飛行機恐怖症「軟着陸」の方法
朝日新聞朝刊 1999.5.1 空の旅は、事故率は低いとはいえ、いったん事故に遭遇すると致死率が高い。気流で揺れながらの着陸では、ベテランクルーでさえ車輪が地上をつかまえた瞬間に胸をなでおろすことがあるそうだ。 飛行機で九州まで出張する予定だった三十代の営業マンは、...


「クローン人間」夢より脅威
朝日新聞朝刊 1999.5.8 癌(がん)細胞を破壊する遺伝子治療よりも、癌細胞のないクローン人間に取り換えた方が簡単かも知れない。肉体的個体が全く同一のクローン羊ドリーを誕生させたバイオテクノロジーの発展は、そう思わせる怖さも秘めている。...
bottom of page