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心にも傷残す「最古の商い」
朝日新聞朝刊 1999.11.27 敗戦後に進駐軍相手の売春婦になり、精神的にぼろぼろに傷ついて発病した患者は、「夫はマッカーサーだ」と誇らしげに語っていた。もちろん夫というのは事実ではない。たぶん人生の「傷」とする思いが強く、その相手が無名の米軍人ではプライドが許さな...
院長ブログ更新 ー岡田保先生のご逝去を悼むー
平素より、当院をご利用くださいまして、まことにありがとうございます。 2018年9月29日 岡田保先生がご逝去なされました。 「院長ブログ」 の中で追悼文掲載させていただきます。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 「岡田保先生のご逝去を悼む」 院長 粥川裕平


復しゅう心にひそむ攻撃性
朝日新聞朝刊 1999.11.20 最近、リベンジという言葉をよく聞く。報復という意味だ。報復殺人と言えば恐ろしい行為のようだが、原因があって、その仕返しをするという意味では、分かりやすい犯罪だ。いかに常軌を逸した残虐な行為であっても、計画的な犯罪だけに、責任能力がなかっ...


苦しい現実、逃げたい時も
朝日新聞朝刊 1999.11.13 下請けのさらに孫請けの悲哀か、ある町工場が不況の中で倒産した。中年の社長は酒浸りの日々で肝臓を悪くし、意識を失ったりけいれん発作が出たりするようになった。一にも二にも仕事が生きがいだった。ひと仕事終えてからの酒が楽しみで、業界の付き合...


医療と医学 近くて遠きもの
朝日新聞朝刊 1999.11.6 「小児マヒをもたらすポリオウイルスの解明に全力を投入していたのに、ワクチンの導入で、原因究明の研究費はゼロにされた。医療とはそういうものだが、医学はそれでいいのか」。もう四半世紀も前だが、高名な分子生物学者が語ってくれたのが忘れられない。...
リスボンに誘われて(2012年、独逸・瑞西・葡萄牙)
過去と現在を交錯させながら、歴史の彼方に埋もれていた真実を、面接風に丁寧に暴いて行く作風で、リスボンの美しい町並を背景に人々の生き様を詩情豊かに描いた作品、『リスボンに誘われて』を紹介しよう。 瑞西の大学教授ライムント(ジェレミー・アイアンズ)は、出勤途上で、吊り橋から...
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