第18回 ◆評決(1982年 米国)菱電工機エンジニアリング株式会社の社内報にて連載しているエッセイです。 年4回の掲載となります。 イソップ寓話集に「病人と医者」と題する小話がある。 病人が医者から容態を訊(き)かれ、異常に大汗をかいたと答えると、それは良い按配(あんばい)だと医者は言った。二度目に様子を...
第19回 「ショーシャンクの空に」(米国 1994年)イソップ寓話集に「善と悪」と題する小話がある。 善は非力であったので、悪に追いたてられ、天に昇って行った。そしてゼウスに人間の所に留まっているにはどうしたらよいかと尋ねたところ、皆一緒になって人間を訪ねるのではなく、一人一人で行くように、との答であった。このため、悪は人間...
第20回 「第三の男」(英国 1949年)イソップ寓話集に「狼と仔羊」と題する小話がある。「仔羊が川で水を飲んでいるのを狼が見つけ、もっともらしい口実を設けて食べてやろうと思った。そこで川上に立つと、お前は水を濁らせ、俺が飲めなくしている、と仔羊に言いがかりをつけた。仔羊が、ほんの唇の先で飲んでいるだけだし、それで...