人の心を支える仕事は、ときに自らの心をすり減らす。医療、とりわけ精神医療の現場では、患者の苦悩に向き合い続けることが、知らず知らずのうちに大きな負担となる。「燃え尽き症候群」という言葉が示すように、献身的であるほど心身の限界に近づいてしまう現実がある。映画『おつむてんてんクリニック』(原題『What About Bob?』)は、休暇中の精神科医が患者に振り回される姿をコミカルに描きながらも、医師と患者の関係性の歪みや、支える側の脆さを浮き彫りにする。支援する者にもまた支援が必要であるという視点は、現代のメンタルヘルスを考える上で欠かせない。