第十六回 スティング(1973年 米国)
- 2022年11月7日
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更新日:5月15日
菱電工機エンジニアリング株式会社
社内報 連載エッセイ「ちょっとブレイクしませんか?」
更新いたしました。
人間社会には、努力や勤勉さだけでは説明できない「欲望の構造」が存在する。他者の成果を羨み、利益を奪おうとする心理は、時代や文化を超えて繰り返されるテーマである。イソップ寓話「蟻」は、その原初的な形を示している。蟻となった人間は、姿を変えてもなお他者の収穫を盗み続ける存在として描かれ、欲望の本質的な不変性を象徴する。
映画『スティング』(1973年)は、この寓話的構造を詐欺と復讐の物語として精緻に描き出した作品である。騙し合いの連鎖の中で、登場人物たちは「正義」や「復讐」を掲げながらも、実際にはさらに大きな仕掛けの中で操られていく。そこでは善悪の境界すら曖昧となり、知恵と欺瞞が同一平面で交錯する。
こうした構造は現実社会にも重なる。AIJ投資顧問事件のように、巨額の資金が巧妙な仕組みによって吸い上げられ、被害者は回復の見通しも立たないまま精神的なダメージを抱える。詐欺は単なる犯罪ではなく、信頼という社会基盤そのものを揺るがす現象でもある。寓話と映画、そして現実の事件は、欲望と欺瞞がいかに形を変えながら繰り返されるかを示している。
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