top of page

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福

  • 執筆者の写真: かゆかわクリニック院長 粥川裕平
    かゆかわクリニック院長 粥川裕平
  • 11 分前
  • 読了時間: 2分

愛知保険医新聞2017/03/25



ユヴァル・ノア・ハラリ 


出版 河出書房新社

2016/09/09




「サピエンス全史」、人類二百万年の概観に留まらない斬新な論述に一挙に引き込まれる。これほどの書は「自然の弁証法」(エンゲルス)以来かも。人間界のあらゆる出来事に精通しているのか、言語、神話、宗教の起源、国家、植民地、大航海時代、科学技術革命、そして資本主義・帝国主義や共産主義思想の勃興と盛衰、現代の国家と国民の幸福や戦争について余すところなく言及する。


社会の法制度、保険や紙幣も信用という共同幻想に基づくものだと断言し、人類の叡智は、架空の出来事について語る能力であると述べ、その能力が、地球上の生き物の覇者になり、万物の頂点に立ったことを論証している。狩猟採集生活から定住し農耕をはじめた「農業革命」により、かえって人類は忙しくなり、人口爆発が起き、飽食のエリー卜が誕生したのだという。


「将来の人類」の章で、「これまでの人類は外部の、あるいは自分の身体や心の問題に対して、さまざまな道具を使って状況を改善しようとしてきた。ところが、遺伝子の研究により 人間の身体の『解析』が急速に進んだ。そして、人間は、『自分の力で、自分たちの種の特性を変えることが できる技術』を手にしようとしている。現代世界は、歴史上初めて全人類の基本的平等性を認めたことを誇りとしているが、これまでで最も不平等な社会を生み出そうとしているところなのかもしれない」と。驚くべき智慧は、終活の一助となるに違いない。








​カテゴリー一覧
 

bottom of page