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院長コラム
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院長はこれまで、新聞連載や寄稿記事、専門誌、企業の社内報など、さまざまな媒体で執筆を続けてきました。
映画や文学を題材としたエッセイをはじめ、こころの健康や精神疾患、人間関係、社会問題などについて、それぞれの媒体の読者に向けて発信してきました。時代や読者層が異なっても、人間のこころへの関心は一貫しています。
このページでは、これまでに掲載されたコラムを媒体ごとにまとめています。それぞれの媒体でどのようなテーマが語られてきたのかをたどりながら、お読みいただければ幸いです。


陽気な挑戦者◆困難もさらり受け止め
失敗しても、笑われても、自分たちらしく挑み続ける。その姿勢が人を成長させる。映画『クール・ランニング』は、常夏の国ジャマイカの若者たちが、冬季五輪のボブスレー競技に挑戦する実話を基にした作品である。陸上競技で夢を絶たれた青年デリースは、新たな目標としてボブスレーを選ぶ。集まったのは皆素人同然の仲間たち。しかし、失敗や冷笑を受けながらも、自分たちの流儀を貫き、仲間との絆を深めていく。厳寒のカルガリーで彼らが得たものは、単なる順位ではなく、「誇り」と「自立」だった。失敗しても、笑われても、自分たちらしく挑み続ける。その姿勢が人を成長させる。映画『クール・ランニング』は、常夏の国ジャマイカの若者たちが、冬季五輪のボブスレー競技に挑戦する実話を基にした作品である。陸上競技で夢を絶たれた青年デリースは、新たな目標としてボブスレーを選ぶ。集まったのは皆素人同然の仲間たち。しかし、失敗や冷笑を受けながらも、自分たちの流儀を貫き、仲間との絆を深めていく。厳寒のカルガリーで彼らが得たものは、単なる順位ではなく、「誇り」と「自立」だった。
5月22日


第五十五回 野いちご (1957年 瑞典)
夢は未来を告げるものなのか、それとも人を惑わす幻にすぎないのか。古代より人間は夢の意味を問い続けてきた。イソップ寓話に語られる「正夢」と「逆夢」の逸話は、その曖昧さを象徴している。映画『野いちご』は、名誉と成功を手にした老医師が、ある悪夢をきっかけに自身の人生を振り返る物語である。旅の途中で出会う人々や、よみがえる過去の記憶を通して、彼はこれまで見過ごしてきた感情や人間関係に向き合っていく。夢と現実、過去と現在が交錯する中で、人生の充足とは何かが静かに問いかけられる。孤独と再生を描いたこの作品は、高齢社会を先取りするかのような深い洞察に満ちている。
1月29日


第五十回 世界にひとつの金メダル(2013年仏蘭西・加奈陀合作)
人はしばしば、自らの意思で進んでいると思いながら、実は見えない力に導かれているのかもしれない。イソップ寓話にある「暴れ馬に乗った男」の話は、その象徴的な一例である。映画『世界にひとつの金メダル』は、暴れ馬ジャップルーと若き騎手ピエールの軌跡を通して、衝動や迷いに翻弄されながらも、自らの進む道を見出していく過程を描く。挫折、非難、別れ――それらを経てなお、人は何を拠りどころに再び立ち上がるのか。本作は、人と馬の関係を超えて、「自分の人生の手綱を誰が握っているのか」という根源的な問いを投げかける。
2025年8月20日


第四十九回 炎のランナー(1981年 英国)
才能に恵まれた者が必ずしも勝者になるとは限らない――イソップ寓話「亀と兎」が示すこの普遍的な教訓は、時代を超えて多くの人の心に響いてきた。
映画『炎のランナー』は、1924年パリ五輪に挑んだ若者たちの実話をもとに、努力と信念、そしてそれぞれの価値観に忠実に生きる姿を描き出す。差別に抗い勝利を目指す者、信仰を貫く者――その歩みは決して平坦ではないが、揺るがぬ意志が人生を切り拓いていく。現代に生きる私たちにも「どう走るか」を問いかけてくる。
2025年7月31日


第四十八回 リバー・ランズ・スルー・イット(1992年・米国)
時間をどう生きるかという問いは、人間の行動原理を大きく左右する。
イソップ寓話「蟻とセンチコガネ」は、余剰のある季節に備えた者と、享楽のうちに過ごした者の対比を通して、未来志向の合理性を強く教える物語である。
一方、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』は、フライ・フィッシングを媒介として、兄弟それぞれの生き方と喪失、そして不可逆に流れ続ける時間そのものを描き出す作品である。そこでは単なる勤勉と怠惰の対立ではなく、「備える人生」と「流れに身を委ねる人生」が交差し、どちらも一面的には裁ききれない深みを帯びていく。人生とは蓄積か、それとも流動か――その問いが投げかけられている。
2025年6月26日


リスボンに誘われて(2012年、独逸・瑞西・葡萄牙)
人はどれほど自分自身を生きているのでしょうか。リスボンに誘われては、一冊の本との出会いをきっかけに、人生を見つめ直す旅へと踏み出す男の物語です。主人公ライムントを演じるジェレミー・アイアンズは、過去と現在が交錯する中で、他者の人生を辿りながら自らの内面と向き合っていきます。独裁体制下の歴史や人間関係の機微を背景に、「生きられなかったもう一つの人生」への問いが静かに響きます。美しいリスボンの街並みとともに描かれるのは、誰もが抱える時間と選択の重みです。
2025年6月9日


ロビン・ウィリアムズの死を悼む
2014年8月11日、名優ロビン・ウィリアムズが63歳でこの世を去りました。多彩な演技と圧倒的な話術で人々を魅了し続けた彼は、コメディからシリアスまで幅広い役柄を自在に演じ分け、「言葉の力」を体現した存在でした。その一方で、内面には深い葛藤を抱えていたとも言われています。本稿では、数々の名作とともに、彼が残した光と影、その存在の大きさを振り返ります。
2025年6月6日


人生は威厳ある老いへの旅
老いは避けることのできない人生の帰結でありながら、多くの人にとって受け入れがたい現実でもある。若さや活力を価値とする社会の中で、老いはしばしば衰えや喪失として捉えられる。しかし、老いとは単なる終わりではなく、これまでの人生を見つめ直し、意味づける時間でもある。野いちごは、老学者が旅の中で過去と向き合い、記憶と現実が交錯する中で自己を再認識していく姿を描く。死を意識するからこそ浮かび上がる人生の本質――老いとは、威厳をもって生を引き受けるための最後の旅路なのかもしれない。
2025年4月10日
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