第六十回 裏窓(1954年 米国)
- かゆかわクリニック院長 粥川裕平

- 2 日前
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菱電工機エンジニアリング株式会社
社内報 連載エッセイ「ちょっとブレイクしませんか?」
アルフレッド・ヒチコック監督の『裏窓』(1954年・アメリカ)は、事故で車椅子生活となった主人公が、退屈しのぎに向かいの集合住宅を覗くうち、殺人事件の疑惑に巻き込まれていくサスペンス映画です。深夜に大きな鞄を持って外出する男、花壇を気にする姿、肉切り包丁や小型のこぎりなど、主人公が目撃した断片的な情報は、次第に恐ろしい疑惑へと結びついていきます。しかし、友人の刑事はそれを妄想として退け、主人公の推理が正しいのか、それとも単なる思い込みなのか、観客も揺さぶられます。作品には、イソップ寓話「羊飼いの悪戯」、いわゆる「狼少年」の話が重ねられています。一度「嘘つき」と思われた人の言葉は、本当の危機に直面しても信じてもらえません。現代社会でも、誤情報や過剰な警告、冤罪など、真偽を見極める難しさは変わりません。「覗き」という行為の危うさも含め、他人の言葉や目撃情報をどう判断するのかを考えさせる一作です。
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