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私のすすめる一冊『ロシア革命 破局の8か月』

  • 執筆者の写真: かゆかわクリニック院長 粥川裕平
    かゆかわクリニック院長 粥川裕平
  • 11 分前
  • 読了時間: 2分

愛知保険医新聞 2017/04/05



池田嘉郎 

出版 岩波新書

2017/01/20



国家は革命権を奪えるのか。「共謀罪」法案を巡る国会論戦はこの国の未来がかかっている。一七八九年の仏蘭西革命はその後ナポレオン王政復古、一九一七年の露西亜革命もロマノフ王朝再興と紆余曲折だが、人類史を変えた事実は消えない。その露西亜革命から百年、本書が出版された。

中学生でソビエト科学アカデミーの数学玉手箱に触れ、高校生で世界史全集で唯物弁証法的歴史観を学んだ。大学に入るとパブロフなどソ医研の書物を貪り読み、モスクワ大学に憧れた。学園紛争では、メンシェピキVSポルシェビキ、スターリニズムVSトロツキズムという対立用語も知ったが洞察があった訳でもない。


いつの間にか歌声喫茶も消え、「ボルガの舟歌」などロシア民謡も歌われなくなった。ベルリンの壁崩壊頃から世界も変容し社会主義東欧諸国が壊滅し露西亜革命は流産。条件反射学、コルホーズ、ソフォーズなど、すべてが民主青年だっ人々の心の奥底に封印された。

ケレンスキー ジノビエフなど懐かしい人物描写も含めて、一九一七年二月革命から十月革命までの八カ月を活劇風に描いた本書は「世界を揺るがした十日間」(リード)とは一味違って面白い。第一次大戦中、ロマノフ王朝の農奴制から資本主義を経ずに共産主義革命が可能だったのか。著者は「人は互いに譲りながら、あい異なる利害を調整できる制度を粘り強く作ってゆくしかない」と締めくくっているがそんな国もまだない。





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