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院長コラム
—掲載媒体から探す—
院長はこれまで、新聞連載や寄稿記事、専門誌、企業の社内報など、さまざまな媒体で執筆を続けてきました。
映画や文学を題材としたエッセイをはじめ、こころの健康や精神疾患、人間関係、社会問題などについて、それぞれの媒体の読者に向けて発信してきました。時代や読者層が異なっても、人間のこころへの関心は一貫しています。
このページでは、これまでに掲載されたコラムを媒体ごとにまとめています。それぞれの媒体でどのようなテーマが語られてきたのかをたどりながら、お読みいただければ幸いです。


人生を破壊…薬物依存は「病」
「意志が弱いからやめられない」と思われがちな薬物依存だが、その本質は個人の性格ではなく、脳と心理に深く関わる“病”である。映画 バスケットボール・ダイアリーズ は、平凡な高校生が非行から薬物へと転落していく過程を描き、依存の恐ろしさと現実を突きつける。最初は軽い興味や誘いから始まった行動が、やがて習慣化し、強い欲求へと変わっていく。脳の快楽系が刺激されることで、「もう一度」という欲求が繰り返され、理性では止められなくなるのだ。さらに、背景には家庭環境やストレス、孤独といった要因が重なりやすい。依存は単なる逸脱ではなく、適切な支援と治療が必要な状態である。問題を個人の責任に押しつけるのではなく、社会全体で支える視点が求められている。
2024年5月22日


リハビリ◆体と心、両方を診る
事故や病気によって突然、身体の自由を失うことは、単なる肉体的な問題にとどまらず、心の深い部分にも大きな影響を及ぼす。映画 七月四日に生まれて は、戦争で負傷し車いす生活となった青年の苦悩と再生を描き、リハビリの本質を問いかける作品である。主人公は、身体機能の回復だけでなく、喪失感や絶望、社会からの疎外感と向き合う中で、自らの生き方を模索していく。こうした過程は、心的外傷後ストレス障害 のような心理的ダメージとも深く関係している。現実においても、中途障害を負った人が直面するのは、身体機能の回復だけでは解決できない課題である。支えとなる人間関係や人生の目的を見出すことが、回復への大きな力となる。リハビリとは、単なる訓練ではなく、体と心の両面を見据えた「再生のプロセス」なのである。
2024年5月15日


不倫で悩む人健康?不健康?
現代社会では、不倫は決して珍しい出来事ではなくなっている。しかしその裏側には、強い感情の揺れと制御の難しさが潜んでいる。不倫で悩む人々は、不眠や抑うつといった精神的苦痛を抱え、日常生活に支障をきたすことも少なくない。
映画『危険な情事』は、「一度だけ」の関係が予想外の執着と破壊を生む過程を描き、人間の感情の脆さを浮き彫りにする。本人は軽い気持ちでも、相手の受け止め方によっては関係は一気に深刻化する。
不倫は、羨望や嫉妬、孤独といった感情が交錯しやすい領域であり、日常からの逸脱がもたらす高揚感と同時に、大きなリスクを伴う行為でもある。悩むこと自体は自然な反応ともいえるが、その葛藤の強さこそが、この問題の根深さを示している。
2024年5月15日


第三十六回 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年 米国)
第二次世界大戦下、英国はドイツ軍の暗号「エニグマ」の解読という極秘任務に挑んでいた。
映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、その中心人物であるアラン・チューリングの実像に迫る作品である。彼は類まれな才能を持ちながらも、協調性に乏しく孤立しがちだった。しかし仲間との関係を築く中で、機械による暗号解読という革新的発想を実現し、戦局を左右する成果を上げる。だがその功績は国家機密として隠され、戦後も正当に評価されることはなかった。さらに彼は同性愛という当時の社会規範により迫害を受ける。天才であるがゆえの孤独、国家と個人の関係、そして科学技術の光と影。本作は、戦争が生み出す矛盾と、人間の尊厳について深く問いかける。
2024年5月15日


第三十五回 アマデウス(1984年米国)
天才と凡人、その差はどこにあるのか。映画アマデウスは、歴史に名を残す音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと、宮廷作曲家アントニオ・サリエリの対比を通して、人間の根源的な感情である嫉妬を鮮烈に描き出す。敬虔で努力家であるサリエリは、自らに与えられなかった才能をモーツァルトに見出し、神への信仰と自己認識の間で葛藤する。品性に欠けるように見えるモーツァルトに神が天賦の才を与えたという現実は、サリエリの心を深く傷つけ、やがて破滅へと導いていく。才能とは努力で埋められるものなのか、それとも越えられない壁なのか。本作は、他者との比較に苦しむ現代人にも通じる普遍的な問いを投げかける。
2024年4月30日


2024年 春から初夏
パンデミックや戦争、災害といった不安が続く現代社会。
医療の現場から見える人々の心の変化とともに、名古屋城や名城公園の春の風景、そして日常の中にあるささやかな安らぎに目を向けます。不確かな時代の中で、どのように生きていくかを静かに問いかける内容です。
2024年4月7日


第三十四回 ローマ法王の休日
リーダーとは強く、迷いのない存在であるべきだ――そんな期待は現実的なのでしょうか。
映画『ローマ法王の休日』は、選ばれた指導者がその重圧に耐えきれず葛藤する姿を描きます。本稿では、イソップ寓話の視点も交えながら、権力と責任、そして人間の弱さについて考察します。
2024年4月2日


第三十三回 日本一のホラ吹き男(1964年 日本)
「できる」と言い切ることは、ただの強がりなのか、それとも未来を切り開く力なのか。
映画『日本一の大ぼら吹き』は、大言壮語を現実に変えていく人物をユーモラスに描きます。本稿ではイソップ寓話とあわせて、「大ぼら」と自己実現の関係を読み解き、現代にも通じる人間心理を探ります。
2024年2月7日
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