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院長コラム
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院長はこれまで、新聞連載や寄稿記事、専門誌、企業の社内報など、さまざまな媒体で執筆を続けてきました。
映画や文学を題材としたエッセイをはじめ、こころの健康や精神疾患、人間関係、社会問題などについて、それぞれの媒体の読者に向けて発信してきました。時代や読者層が異なっても、人間のこころへの関心は一貫しています。
このページでは、これまでに掲載されたコラムを媒体ごとにまとめています。それぞれの媒体でどのようなテーマが語られてきたのかをたどりながら、お読みいただければ幸いです。


自己愛◆ごう慢な権力者の孤独
権力や富を手にした人間は、本当に幸福に近づくのだろうか。むしろ、それらを追い求める過程で人間関係は歪み、最終的に深い孤独へと至ることも少なくない。中日新聞で紹介された映画『市民ケーン』は、その典型的な構造を描いた作品として、今なお高く評価されている。
物語の中心人物ケーンは、新聞王として成功を収め、政治や文化の領域にも影響力を拡大していく。しかしその過程で、愛情や信頼といった人間関係は次第に崩壊し、彼の人生は華やかさとは裏腹に空虚さを深めていく。
ケーンの行動は、現代的な視点から見ると「自己愛性パーソナリティー障害」に類似する特徴を持つとも解釈される。幼少期の愛情不足や分離体験が背景にあるとされ、権力や支配への過剰な執着として表れる点が重要である。
映画の象徴である「バラのつぼみ」は、失われた子ども時代の幸福を示唆しているとされ、どれほど成功を積み重ねても埋められない心の空洞を浮き彫りにする。そこには、富や名声では代替できない人間の根源的な欲求が存在していることが示されている。
2025年1月22日


何とか越えたい中年危機
人生の折り返し地点ともいえる中年期は、多くの人にとって大きな転機となります。仕事上の限界、家族関係の変化、そして大切な人との別れ――さまざまな「喪失」が重なることで、これまで築いてきた自己のあり方が揺らぐことも少なくありません。
本稿では、映画『ミルドレッド』や『フェイク』を手がかりに、中年期に訪れる危機とその乗り越え方について考えます。喪失の中でなお生きる意味を見出し、それぞれのかたちで再出発していく人々の姿から、人生の折り返し地点ともいえる中年期は、多くの人にとって大きな転機となります。仕事上の限界、家族関係の変化、そして大切な人との別れ――さまざまな「喪失」が重なることで、これまで築いてきた自己のあり方が揺らぐことも少なくありません。
本稿では、映画『ミルドレッド』や『フェイク』を手がかりに、中年期に訪れる危機とその乗り越え方について考えます。喪失の中でなお生きる意味を見出し、それぞれのかたちで再出発していく人々の姿から、新たな生き方を探ります。
2025年1月22日


法曹界、中立では済まぬ苦悩
正義と真実を追い求める法曹の仕事は、理知的で冷静な判断が求められる一方で、極めて大きな心理的負担を伴います。複雑な事件に向き合い続ける中で、何が真実かを見極める難しさや、立場の違いによる葛藤にさらされることも少なくありません。
本稿では、映画『ディアボロス』を手がかりに、法曹界におけるストレスや倫理的ジレンマについて考えます。
2025年1月21日


かけ事に依存、退学寸前に
目標を達成したあとに訪れる空虚感は、ときに思いがけない方向へ人を導きます。達成感の裏側で、次の目標を見失ったとき、人は刺激や興奮を求めて別の対象にのめり込むことがあります。
本稿では、ギャンブル依存と「アパシー・シンドローム」という観点から、学業や仕事から逸脱してしまうこころの動きを考えます。映画『オスカーとルシンダ』を手がかりに、快楽と自己実現のバランスの難しさについて考察します。
2025年1月20日


病気を乗り越えて輝き再生
精神の病は、ときにそれまで築いてきた人生を大きく揺るがします。輝かしい才能や実績を持つ人であっても、その例外ではありません。しかし、長い闘病の先に、再び自分らしさを取り戻す可能性があることもまた事実です。
本稿では、映画『シャイン』を手がかりに、精神疾患によって一度は崩れた人生が、どのように再生へと向かうのかを見つめます。苦悩と回復の過程を通して、「生き直す力」とは何かを考えます。
2025年1月17日


神と精神世界、そして世俗考
効率や成果が重視される現代社会において、人は常に競争や評価の中に置かれています。その一方で、精神の平穏や意味を求め、世俗から距離を取ろうとする動きも存在します。
本稿では、精神医療の現場での印象的なエピソードと映画作品を手がかりに、神や信仰といった精神世界と、現実社会の価値観との間にある緊張関係を見つめます。人が本当に求めている「安らぎ」とは何かを考えます。
2025年1月16日


暦の節目、新たに生きよう
終わりの時代に、人は何を選ぶのか。
映画『マトリックス』『ストレインジ・デイズ』が描いた終末的世界観を手がかりに、本稿では混迷の時代における人間の意識と希望を考察します。特別な力がなくてもできること――「新たに生きる」決意に目を向けます。
2025年1月15日


恐怖克服のための心構え
長期化する不況や雇用不安の中で、社会全体の不安水準は高まり続けている。リストラ、失業、債務といった現実的な問題は、個人の生活基盤を揺るがし、心理的なストレスを増幅させる。こうした状況は単なる経済問題にとどまらず、心身の健康にも深刻な影響を及ぼし、不安障害や自殺リスクの増加として現れることがある。
「恐怖」や「不安」は誰にでも起こりうる自然な反応であるが、それが過剰に持続すると、動悸や息苦しさ、身体症状を伴う障害へと発展することもある。精神医学ではこれを不安障害やパニック障害として捉え、心と身体の両面からの理解と対応が求められている。
映画『めまい』は、高所恐怖症とトラウマ体験が結びつき、恐怖が反復される様子を象徴的に描いた作品である。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の概念が一般化する以前から、人間の恐怖記憶と回避行動の問題を鋭く描いていた点で象徴的な作品といえる。
恐怖症の克服には、単に恐怖を避けるのではなく、適切な条件のもとで再び向き合うことが必要である。そこには不安に対する理解と、段階的な適応のプロセスが不可欠となる。
2025年1月15日
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