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院長コラム
—掲載媒体から探す—
院長はこれまで、新聞連載や寄稿記事、専門誌、企業の社内報など、さまざまな媒体で執筆を続けてきました。
映画や文学を題材としたエッセイをはじめ、こころの健康や精神疾患、人間関係、社会問題などについて、それぞれの媒体の読者に向けて発信してきました。時代や読者層が異なっても、人間のこころへの関心は一貫しています。
このページでは、これまでに掲載されたコラムを媒体ごとにまとめています。それぞれの媒体でどのようなテーマが語られてきたのかをたどりながら、お読みいただければ幸いです。


かけ事に依存、退学寸前に
目標を達成したあとに訪れる空虚感は、ときに思いがけない方向へ人を導きます。達成感の裏側で、次の目標を見失ったとき、人は刺激や興奮を求めて別の対象にのめり込むことがあります。
本稿では、ギャンブル依存と「アパシー・シンドローム」という観点から、学業や仕事から逸脱してしまうこころの動きを考えます。映画『オスカーとルシンダ』を手がかりに、快楽と自己実現のバランスの難しさについて考察します。
2025年1月20日


病気を乗り越えて輝き再生
精神の病は、ときにそれまで築いてきた人生を大きく揺るがします。輝かしい才能や実績を持つ人であっても、その例外ではありません。しかし、長い闘病の先に、再び自分らしさを取り戻す可能性があることもまた事実です。
本稿では、映画『シャイン』を手がかりに、精神疾患によって一度は崩れた人生が、どのように再生へと向かうのかを見つめます。苦悩と回復の過程を通して、「生き直す力」とは何かを考えます。
2025年1月17日


恐怖克服のための心構え
長期化する不況や雇用不安の中で、社会全体の不安水準は高まり続けている。リストラ、失業、債務といった現実的な問題は、個人の生活基盤を揺るがし、心理的なストレスを増幅させる。こうした状況は単なる経済問題にとどまらず、心身の健康にも深刻な影響を及ぼし、不安障害や自殺リスクの増加として現れることがある。
「恐怖」や「不安」は誰にでも起こりうる自然な反応であるが、それが過剰に持続すると、動悸や息苦しさ、身体症状を伴う障害へと発展することもある。精神医学ではこれを不安障害やパニック障害として捉え、心と身体の両面からの理解と対応が求められている。
映画『めまい』は、高所恐怖症とトラウマ体験が結びつき、恐怖が反復される様子を象徴的に描いた作品である。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の概念が一般化する以前から、人間の恐怖記憶と回避行動の問題を鋭く描いていた点で象徴的な作品といえる。
恐怖症の克服には、単に恐怖を避けるのではなく、適切な条件のもとで再び向き合うことが必要である。そこには不安に対する理解と、段階的な適応のプロセスが不可欠となる。
2025年1月15日


こころの病、まず相談の決断
人生における出来事は、身体だけでなく心にも大きな影響を及ぼす。とりわけ普通の人々は、家族の喪失と葛藤を通して、心の病と向き合う過程を丁寧に描いた作品である。長男の死をきっかけに崩れていく家族関係の中で、次男は抑うつや自殺未遂といった危機に直面しながらも、支えを得て再生への道を歩んでいく。
こうした心の不調は、誰にでも起こり得るものであるにもかかわらず、実際に専門家へ相談するまでには長い時間を要することが多い。祈祷や民間療法に頼り続けた末にようやく医療機関へたどり着く例もあり、心の問題に対する社会的理解は必ずしも十分とはいえない。
精神的な不調は特別な人だけの問題ではなく、生活や人間関係の中で誰もが直面し得る現実である。そのため、早い段階で相談につながることの重要性が改めて問われている。
2024年11月27日


強迫性障害◆完全主義の怖さを知ろう
人は「きちんとしていたい」「失敗したくない」という思いを持つが、その思いが過剰になると生活に支障をきたすことがある。恋愛小説家は、強いこだわりと不安を抱えた中年作家が、他者との出会いを通じて変化していく姿を描いた作品である。彼は不潔恐怖や確認行為といった症状に苦しみながらも、ウエートレスとの関係をきっかけに少しずつ世界との関わり方を変えていく。
このような状態は強迫性障害の一形態であり、過度な完全主義や不安の高まりによって、日常生活の自由さが制限されることがある。現代では治療法も進歩し、薬物療法と心理的アプローチの組み合わせによって改善が期待できるようになっている。
重要なのは「正しさ」や「完璧さ」にとらわれすぎず、状況に応じて柔軟に対応する力を育てることである。心のバランスを保つことが、よりよく生きるための基盤となる。
2024年11月7日


「ちょっと一杯」もほどほどに
日常のストレスを和らげる手軽な方法として、「一杯飲む」習慣は広く受け入れられている。しかしその手軽さの裏には、依存へとつながる危険性が潜んでいる。特に家庭内での孤独やストレスが重なる場合、飲酒は気づかぬうちに生活の中心へと入り込みやすい。
アルコール依存症は、世界的にも重要な精神医学的問題であり、日本でも数多くの患者が存在するとされる。習慣的な飲酒は睡眠障害や身体疾患だけでなく、家族関係の破綻にも直結することがある。
映画男が女を愛する時では、アルコール依存に陥った妻と、それを支えようとする家族の葛藤が描かれる。愛情と絶望が交錯する中で、当事者だけでなく周囲の理解と支援の重要性が浮かび上がる。
2024年10月17日


がんばらない◆やわらかな時間も必要
現代社会では「努力すること」「成果を上げること」が強く求められる一方で、その圧力が心の不調を引き起こすことも少なくない。とりわけ過剰な緊張状態が続くと、心はバランスを崩し、抑うつや過活動といった極端な状態を行き来することがある。
映画やわらかい生活は、キャリア志向の女性が喪失体験をきっかけに、生活と心のリズムを大きく変えていく姿を描く作品である。主人公は双極性障害と診断され、これまでの「走り続ける生き方」から一転し、治療と休息を通じて新しい生活の形を模索していく。
その過程で出会う人々との関係は必ずしも整ったものではないが、むしろ不完全でゆるやかなつながりの中に、人間らしい回復の可能性が見えてくる。効率や成果では測れない「時間の質」が、心の再生にとって重要な意味を持つことを示唆している。
2024年10月10日


不眠症◆軽視せず早めに相談を
不眠症は、多くの現代人が抱える身近な問題でありながら、つい軽視されがちな症状である。眠れない状態が続くと、日中の集中力低下や判断力の鈍化を招き、仕事や人間関係にも影響を及ぼす。さらに慢性化すれば、うつ病などの精神疾患へと発展するリスクも高まる。
映画眠れぬ夜のためには、不眠に苦しむ平凡な会社員が、思わぬ事件に巻き込まれていくサスペンスである。睡眠不足による心身の不安定さが、日常を非日常へと変えてしまう様子が象徴的に描かれている。
不眠の背景には、家庭や職場でのストレス、生活習慣の乱れなどが複雑に絡んでいることが多い。適切な生活リズムの確立や環境調整に加え、必要に応じて専門家へ相談することが、回復への第一歩となる。
2024年9月18日
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