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院長コラム
—掲載媒体から探す—
院長はこれまで、新聞連載や寄稿記事、専門誌、企業の社内報など、さまざまな媒体で執筆を続けてきました。
映画や文学を題材としたエッセイをはじめ、こころの健康や精神疾患、人間関係、社会問題などについて、それぞれの媒体の読者に向けて発信してきました。時代や読者層が異なっても、人間のこころへの関心は一貫しています。
このページでは、これまでに掲載されたコラムを媒体ごとにまとめています。それぞれの媒体でどのようなテーマが語られてきたのかをたどりながら、お読みいただければ幸いです。


私のすすめる一冊『THE COMING WAVE AI、 権力、人類の未来』
AIと合成生物学の急速な進歩は、私たちの社会を大きく変えようとしています。ムスタファ・スレイマン氏らの著書『THE COMING WAVE』を通して、技術革新がもたらす可能性と危険性、そして人類が新しい技術をどのように制御していくべきかを考えます。
10 時間前


私のすすめる一冊『人新世の「黙示録」』
斎藤幸平氏の『人新世の「黙示録」』を紹介します。気候危機や経済格差、テクノロジーによる社会の変化を背景に、著者は参加型の計画経済など、新しい社会の可能性を提案します。資本主義のあり方を問い直し、人類がどのような未来を選ぶべきかを考える一冊です。
10月31日


私のすすめる一冊『独ソ戦:絶滅戦争の惨禍』
大木毅の『独ソ戦』は、第二次世界大戦の中でも最大規模の戦闘となった独ソ戦を、ナチ・ドイツとソ連の「絶滅戦争」として捉え直した一冊です。戦争は国家同士の軍事衝突にとどまらず、政治思想や民族観、経済、国家体制などが複雑に絡み合って引き起こされます。本書を紹介する文章では、世界恐慌から全体主義へと向かった時代を振り返りながら、戦争と政治、さらに経済との関係について考えています。また、筆者自身の叔父がシベリア抑留を経験したという記憶も重ねられ、歴史上の「何百万人」という数字が、一人ひとりの人生に起きた悲劇であることを伝えています。独ソ戦の歴史を通して、戦争とは何なのか、なぜ人類は同じ過ちを繰り返すのかを考えさせる一冊です。
10月17日


私のすすめる一冊『21 Lessons:21世紀の人類のための21の思考』
ユヴァル・ノア・ハラリの『21 Lessons』は、『サピエンス全史』『ホモ・デウス』に続き、21世紀を生きる人類が直面する課題を幅広く論じた一冊です。AIや自動化による雇用の変化、自由と平等、ナショナリズム、宗教、移民、戦争、ポスト・トゥルース、科学、教育、そして人生の意味まで、現代社会を形づくるさまざまな問題を取り上げています。人類は科学技術を発展させ、国境を越えた経済や情報社会を築いてきました。一方で、世界規模の問題を抱えながら、政治や社会の仕組みは依然として国家単位にとどまっています。本書は、変化の激しい21世紀を人間はいかに生きるのかを考えるための、現代社会への思考の手引きとなる一冊です。
10月10日


第六十九回 未来への警鐘原発を問う(2022年 米国)
オリヴァー・ストーン監督のドキュメンタリー『未来への警鐘 原発を問う』は、気候変動とエネルギー不足という二つの課題を背景に、原子力エネルギーの可能性を問い直す作品です。映画は、石炭などの化石燃料による環境・健康への影響や、再生可能エネルギーの拡大を取り上げながら、現在のエネルギー需要を満たすために原子力を選択肢として考える必要があるのではないかと問題提起します。一方、人類は原子爆弾、チェルノブイリ、福島第一原発事故など、核技術の大きな危険も経験してきました。映画の主張をそのまま受け入れるのではなく、科学技術の進歩とリスク、環境、経済、そして人類の未来をどう考えるか。本作は、エネルギー問題を通して文明のあり方を問いかける作品です。
10月8日


私のすすめる一冊『証言 治安維持法:「検挙者10万人の記録」が明かす真実』
1925年に制定された治安維持法は、当初、国体の変革や私有財産制度の否認を目的とする結社などを取り締まる法律として制定されました。しかし、本書によれば、その後の20年間の運用では一般の市民にも対象が広がり、当事者や遺族の証言、公文書に記された検挙者数のデータから、その実態が検証されています。NHK「ETV特集」取材班による『証言 治安維持法――「検挙者10万人の記録」が明かす真実』は、個々の証言を入り口に、法律がどのように運用され、社会にどのような影響を及ぼしたのかをたどる一冊です。著者は治安維持法だけでなく、戦前・戦中の治安体制と戦後の治安体制の連続性にも目を向けています。
10月3日


私のすすめる一冊『ホモ・デウス テクノロジーとサビエンスの未来』
ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』は、『サピエンス全史』に続いて、人類がこれからどこへ向かうのかを壮大な視点から描いた一冊である。二十世紀の人類は、飢饉や戦争の克服、幸福の追求を目指してきた。しかし、科学技術の発展によって地球を支配するまでになった人類は、今やAIやアルゴリズムという新たな技術と向き合おうとしている。チェスや囲碁で人工知能が人間を上回ったことに象徴されるように、これまで人間だけが担ってきた知的労働や技能も、アルゴリズムに置き換えられる可能性がある。本書は、人間至上主義からデータ至上主義への転換や、知能と意識の分離といった未来を大胆に予測する。一方で、その未来像が本当に普遍的なものなのか、不死や至福を人類共通の目標にできるのかという疑問も残る。科学技術は人類を幸福にするのか、それとも人間そのものを変えてしまうのか。人類史を俯瞰しながら未来を考えさせる一冊である。
9月19日


私のすすめる一冊『近代日本一五〇年 ―科学技術総力戦体制の破綻』
山本義隆著『近代日本一五〇年 ―科学技術総力戦体制の破綻』は、明治維新から現代までの日本の近代化を、科学技術と国家の関係という視点から捉え直した一冊である。明治政府が西洋の科学技術を導入した背景には富国強兵・軍事目的があり、その後も産官学が一体となって科学技術を推進してきた。その一方で、女工哀史、足尾銅山鉱毒問題、公害、原子力政策など、国力や産業発展の陰で国民の生命や健康が犠牲にされてきた歴史も描かれる。科学技術は人間を豊かにするものなのか、それとも国家の力を増大させるための道具になり得るのか。本書を評価しながら、著者の悲観主義と読後に残る虚無感にも目を向ける。
9月12日
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