私のすすめる一冊『証言 治安維持法:「検挙者10万人の記録」が明かす真実』

10 分前
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愛知保険医新聞 2019/12/15
NHK「ETV特集」取材班 著
出版 NHK出版
2019/11/11
昨春「治安維持法と共謀罪」を紹介した。今秋、国家権力による人民弾圧犯罪を暴く本が出た。
一九二五年に制定された治安維持法は「国体の変革」や「私有財産制度の否認」を標榜する結社(例えば共産党)を取締り対象としていた。しかし実際検挙されたのは普通の人々だった。当事者遺族の証言と公文書に記された検挙者数データから、治安維持法悪 用の二十年を辿る。序章で現在も声を上げ続けている検挙者の証言を入り口に、治安維持法が如何なる目的で作られたのかを振り返る。
第一章から第五章では、法律が運用された二十年間の検挙者数データを分析し、当時の出来事を該当する証言者の逸話を通して描いている。同時に、証言者たちがなぜ検挙されたのか、時代的な背景や法律の運用状況を検証する。
第六章では、治安維持法をはじめとする戦前・戦中の治安体制と戦後の治安体制の連続性について検証し、終章では本書に登場した証言者たちの戦後の歩みを見ていく。
ヴェイユの自由についての洞察やレオン・トロツキーの国家論についての見識には欠けるが一読に値する。





