私のすすめる一冊『子育てで一番大切なこと 愛着形成と発達障害』

11 分前
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愛知保険医新聞 2019/01/15
杉山登志郎 著
出版 講談社
2018/09/19
発達障害流行りの中で、わが国の発達障害の臨床と研究の第一人者が愛着障害を第四の発達障害と位置付けた論考である。少子化が進行するわが国を「今の日本は、経済活動にすべてのエネルギーが吸い取られていて、子育てという次世代の労働力の再生産まで足を引っ張られている」(三十一頁)と著者は指摘する。
本書の構成は、
目 次 まえがき
序 章 児童精神科医から見た現代の子育て
第1章 子育ての基本
第2章 愛を巡って
第3章 発達障害を考える
第4章 発達障害と愛着障害
第5章 『幸福な王子』と子どもの貧困問題
第6章 乳幼児期の自立と躾
第7章 小学生時期の子
第8章 社会で子どもを育てるということ
第9章 残された課題
あとがき もっと詳しく学びたい人のための参考書
となっている。
従来の啓発書とは異なった斬新な編集者との対話形式となっており、章ごとにまとめがあり、基本文献も紹介するという独創性もあり読みやすい。
愛着障害は親の側の方に問題があり、自己治癒可能性もあるという点で、第四の発達障害と位置づけ得るかは議論の余地がある。更に、複雑性PTSDをWHOは採用する模様だが、米国精神医学会は容認していない。PDSD (prolonged duress stress disorder) という用語の方が適切と私は考えている。トラウマの定義の拡大解釈は臨床場面でも辟易する。精神医学的疾病論は兎も角、発達障害に関心の人々にお薦めの一冊だ。





